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「教育カウンセリング」は、福井新聞「NIE教育」のコーナーに当センター職員が執筆し掲載されたものです。<福井新聞社提供> |
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自閉症の息子、来年就学心配 |
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息子は来年就学を迎えます。医師から自閉症と診断されています。同年齢の子と比べるとできないことが多く、どのような学校に入学させるのがよいか迷っています。。 |
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手助けの必要性整理を
自閉症のお子さんを育ててこられ、今までいろいろ悩み、ご苦労されてこられたことと存じます。来年の就学を考えると一層ご心配なことでしょう。
それでは、就学について一緒に考えてみましょう。
自閉症のお子さんは、対人関係を中心に特徴的な行動をとります。また、知的な発達にも個人差があります。そこで、まず就学について考えるこの時期にこそ、お子さんの状態を正しくとらえ直してみることが大切です。
できることや困難なことだけでなく、興味のあることや表現の方法、人とのかかわり方など、日常生活や学習の場面で、どのような手助けがどの程度必要なのかを整理しておきましょう。それが、お子さんに合った学校を考えていく上で非常に役立ちます。
次に情報収集です。先輩の保護者から話を聞くことも一つの方法ですが、当センターで行っている学校ガイダンスを聞いたり、各学校で行っている学校見学会や体験入学に参加したりすることもよいでしょう。お子さんにって適切な場を判断するために、ご両親の目で確かめることをぜひお勧めします。
就学先としては小学校の通常学級のほか、特殊学級や通級指導教室、養護学校があります。通級指導教室では、通常学級に籍を置きながら週に数時間の個別指導が受けられますが、県内には数少ない現状があります。
特殊学級や養護学校では、一人ひとりの発達や障害の状態に応じた教育を行うため一学級あたりの児童数は少なく、お子さんの状態に合わせて学習できる環境が用意されています。ここでは、円滑な集団参加を促す指導や日滞生活の指導、ルールのある遊びなどのきめ細かい指導が受けられます。
就学先を決めるに当たっては、就学相談会、就学指導委員会、就学時健康診断を経て、市町村の教育委員会が保護者と十分に相談しながら進めていくことになっていますので、遠慮なさらずに教育委員会へお問い合わせになればと思います。
学校は、お子さんのより良い人生の基礎を築く大切な場所です。お子さんが自信を持ち、毎日楽しく生き生きと過ごせる学校を選ぶことが最も大切なことだと思います。
(福井新聞 平成14年6月17日掲載)
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ことばの発達遅れる5歳児 |
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5歳の息子は、ことばの発達に遅れがあります。最近ようやく簡早なことばのやりとりができるようになりました。園での出来事についても、単語程度ですが話してくれるようになりました。しかし、好きなおもちゃを選んだり、自分が行きたい所を伝えたりするためのことばは、まだ出ません。また、自分の思いを表現することも苦手です。息子のコミュニケーションの力を伸ばすためにはどのようなかかわりがよいのでしょうか。 |
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まず気持ち受け止めて
私たちは、自分の思いを伝えるために、手立てとして話しことばを使っています。ですから、うまく話しことばか出てこないと、人とのコミュニケーションが難しいと思ってしまいます。しかし、本当にそうでしょうか。
コミュニケーションのためには、伝える側だけではなく、そわを受けとる側の配慮がとても大切です。まずは、お子さんのおかれている状況を理解し、どのような気持ちを伝えようとしているのかということについて、目を向けてみてください。それでは、コミュニケーションの力を伸ばすためのかかわり方のポイントを整理してみましょう。
(1)お子さんのサインを見つけましょう まず、家庭生活でのお子さんの状態をじっくり見つめ、よく理解してあげましょう。そして、その様子から、何らかのサインが出ていないか確かめましょう。ことばを育てようとして、お母さんからの問いかけが多くなりがちですが、子どもはことばにならない形での表情や身ぶりなどで多くのサインを発しているものです。
(2)お子さんの好きなことを見つけましょう
次にお子さんのやりたいことや好きなことを見つけてあげましょう。ことばの発達の遅れに目が向いていると、お子さんがどんなことを好きなのかを見落としがちになります。お母さん自身がお子さんの好きなことをどれくらい知っているか、いま一度振り返ってみてください。
(3)お子さんいっしょに楽しんでみましょう
「お母さんもいっしょにやりたいなあ」とことばをかけながら、お子さんといっしょに好きな遊びを楽しんでみましょう。そうすることで、お母さんの寄り添う気持ちが自然に伝わり、お子さんの自発的なコミュニケーション意欲が促されます。ことばよりもそれ以前に、お子さんの気持ちを受けとめながら共感できる生活経験をつみ重ねることが、コミュニケーションの力をはぐくむことにつながっていくと思われます。
(福井新聞 平成14年9月16日掲載)
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授業に集中できない息子 |
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小小学校に入学した息子は、授業に乗中できず課題を途中で投げ出したり、友達の邪魔をしたりします。夏休みに、医者から、ADHD(注意欠陥/多動性障害)と診断されました。息子を認めてくださる方はいると思うのですが、最近「ぼくはみんなと違う。ぼくはダメなんだ」と言うようになりました。どうすればよいのでしょうか。 |
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苦手なことを一緒に克服
期待を持って迎えた学校生活になかなかなじめず、お子さんもご両親もつらい思いをされていることでしょう。では、お子さんへの支援について、一緒に考えてみましよう。(1)お子さんの今の状態について理解しましょう
ADHDは、しばしば注意がそれる、よく動き回る、とっぴなことをするなどの症状が目立ちますが、それは故意ではなく、自分をコントロールする力が弱いためにおこります。その結果、学業に集中できずに学習内容が分からなくなったり、友達関係がうまくいかずに仲間はずれにされたりして、自信をなくすことがあります。
こういったお子さんは、学業や友達関係で「うまくやりたいのに思うようにやれない、ぼくってダメなのかな」といった自己否定感や不安感をもちやすいのです。今、お子さんは、例えば、いつも時間割が合わせられない、みんなの半分もドリルができない、徒競走で完走できないなどのことが積み重なって、生活全般に自信をなくしているのではないでしょうか。
(2)お子さんのよきサポーターになりましょう
まず、お子さんが苦手なことには、誰かと一緒にやり遂げることで、できたという成就感がもてるような支援をしましょう。家庭では、寝る前に一緒に時間割を合わせてかばんを玄関に置いておく、親子マラソンに参加して一緒に完走するなどはいかがでしょう。学校では、先生に相談し、ドリルの量を半分にしてみんなと終わる時間を一緒にしたり、手つなぎ鬼ごっこで友達と一緒に遊んだりといった配慮をしてもらえるといいですね。
また、お子さんのやる気が出るように、得意なことを生かして、周囲から認められるような支援をすることもよいでしょう。一緒に小物を作って部屋や教室に飾る、写真係になってデジタルカメラで行事の記録をするなど、いろいろと工夫ができそうです。
このようなかかわりを通して励ましていけば、お子さんは、自分の力を一つ一つ確認しながら自分らしさを感じとっていけると思います。これからも、ご両親は、お子さんの身近で頼れるサポーターでいてください。
(福井新聞 平成14年10月7日掲載)
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授業で聞き返しが多い小1 |
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担任している小学一年生の男児のことでご相談します。難聴のような問題はないのですが、授業場面では、何度も聞き返したり、聞き違いが多かったり、的外れな答えを言ったりします。
集団活動でも、指示したことが分からず、周りの子の様子を見て慌てて行動することがよくあります。最近では、集中力や落ち看きがなくなってきていることも心配です。
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集中や理解に手助けを
このお子さんは「きくこと」に困難を示しているようですね。きくことが困難と言ってもその原因はさまざまですが、ここでは聴覚に問題がない場合について考えてみましょう。
(1)お子さんの様子をよく観察しましょう
まず一つ目に、耳から入ってくる音を聞き分ける力が弱いということが考えられます。たくさんの音や声の中から特定の声だけを聞き分ける力が弱いと、教室の中の雑音や声がみんな同じ強さで聞こえてきます。そのため、集団の中での指示が聞き取れない、先生の話に集中できないといったことが起きるのです。
また、先生の声が耳に入っても、ことばの一つ一つの音の聞き分けが悪いため、その意味が理解できずに、意味を取り違えてしまうといったことも考えられます。
二つ目に、記憶の弱さが関係している場合があります。指示された内容を忘れて、聞き返してきたり、いくつかのことを一度に言われると、全部覚えていることができず、指示通り動けなかったりします。
このような場合、話の内容が聞き取れない、授業が理解できないなどで、やる気や集中力がなくなり、学習の遅れや自信喪失につながりかねません。
(2)学級内でできる配慮や工夫を心がけましょう
例えば、話すときの配慮として、子どもの正面から目を見て話をする、注意を引きつけてから話し始める、理解しやすい話し方を心がけるなどがあります。ほかにも、聞きやすい環境を整える、机の位置を工夫する、絵や写真・カード・板書・メモなどの視覚的な手がかりを使って集中や理解を助けるといったことも効果的です。また、聞き返すことは恥ずかしいことではないことをお子さんに伝え、励ましてあげましょう。
家庭との連携も大切です。学校ではどんなことに配慮しながら指導していくのかを保護者に伝え、家庭の協力を得ながらお子さんの成長を支援していきましょう。
このお子さんのような場合は、きくことにつまずきのある学習障害(LD)とも考えられます。当センターでは、LDなどの判断や理解・支援について学校へ訪問する形でサポートしています。お気軽にお電話ください。
(福井新聞 平成14年12月23日掲載)
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誰とも話をしない小1女子 |
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小学校で一年生担任していますが、クラスに誰とも話をしない女の子がいて心配です。授業中
も本読みや発表は全くしません。休み時間は一人で好きな絵を描いて過ごしています。私が話しかけると目を伏せてしまいます。でも、家庭ではよくしゃべり、学校であったことなども話しているそうです。担任としてどうかかわればよいか教えてください。 |
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強制せず自己表現の場を
誰とも話せずに過ごすお子さんがクラスにいるのは担任として本当に心配ですね。このようなお子さんへの支援について一緒に考えてみましよう。
(1)お子さんの気持ちを理解し、信頼関係を育てましょう
お子さんが話しをしないからといって先生や友達とのかかわりを拒否しているとは限りません。話したくても緊張して話せなかったり、集団生活に不安をもっていたりする場合があります。まずは、先生がお子さんの気持ちを理解してあげながらかかわる存在として信頼関係を育てることが大切です。
(2)お子さんが安心して自分を表現できる場をつくりましょう
話すことを強制したり、順番に当てたりするなどの対応は逆効果です。話をさせることだけにこだわってしまうと、かえってお子さんを追い込み、ますます閉じこもらせてしまいます。お子さんにとって学校が安心して自分を表現できる場になるようにかかわることが大切です。それにはまず、文字や身ぶり、視線など、先生とお子さんとのコミュニケーションの方法を焦らずに探してみるとよいでしょう。
お子さんとのかかわりは話し言葉だけではありません。お子さんと先生との距離を近づけるかかわり合いの中に、お互いが分かり合えるコミュニケ一ションの方法がきっと見つかると思います。
次に、お子さんが好きなことや得意なことで自己表現できるように配慮してあげましよう。休み時間に一人で絵を描いていることも自己表現の一つです。授業の中で、お子さんの得意な活動を取り上げてほめてあげたり、クラスの友だちと互いに認め合う機会を増やしたりすることで、自信や意欲を育てましょう。
とにかく、焦らず、あきらめず、お子さんが心を開き、成長していくのを手助けしてあげることが大切だと思います。
(福井新聞 平成15年5月26日掲載)
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自閉症の兄のこと妹にどう説明する |
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小学三年の自閉症の男の子の母親です。同じ学校に通う一年生の娘が、最近「どうしてお兄ちゃんは、うまくお話ができないの」と聞いてくるようになりました。学校では集会の時に大声をあげたりする兄のことで、友達にからかわれることもあるようです。兄のことについてこれから妹にどのように話していくとよいのでしょうか。 |
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話し合いで理解を広げて
成長に伴い、お兄さんとの違いを感じ始めた妹さんに、お兄さんのことをどのように理解させていくとよいのか悩んでいらっしゃるようですね。
(1)自然に少しずつ
お兄さんの障害について小学校1年の妹さんがすべてを理解するのは難しいことですね。
しかし家族ですから、一緒に生活する中で、お兄さんの好きなこと、できること、そして苦手なことを妹さんなりに感じ始めていると思います。まずはお兄さんのことについて妹さんとじっくり話し合ってみましょう。お兄さんの行動やそれに対するお母さんの接し方などについて、わかりやすい言葉で説明してあげるとよいですね。また、誰でも得意なことと苦手なことがあることや、お兄さんはほかの人よりも時間はかかるけれど、少しずつできることが増えていることなども話してあげるとよいでしょう。
(2)学校での配慮を
子どもは不思議に感じたことをすぐに言葉にします。妹さんの友達も、集会の時に大声をあげたりするお兄さんのことを「おまえの兄ちゃん変だぞ」と悪気なく言ったのでしょう。まずは妹さんの担任の先生に相談してみてはいかがでしょうか。息子さんがふざけて大声を出しているのではないことや自閉症の特徴などについて、担任の先生を通して校内の子どもたちやほかの保護者に話してもらうと、理解も広がると思います。
(3)妹さんの気持ちを受け止めて
親としては兄弟に同じように愛情を傾けているつもりでも、現実的にはお兄さんは小さいときから心配な面が多く、手がかかることが多かったと思います。ご両親が障害のあるお兄さんを大切に育てる姿を見て、妹さんも多くのことを自然に学んでいると思いますが、時にはお母さんを独り占めしたいと思うこともあるでしょう。日々の生活の中で妹さんと二人でお風呂に入ったり、買い物に出かけたりするときなどに、妹さんの気持ちを十分受け止めてあげるとよいですね。自分にも親の愛情が注がれていることを実感できることで、障害のある兄弟に対してやさしい気持ちになれると思います。
(福井新聞 平成15年8月2日掲載)
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勉強についていけず進路に悩む中3生 |
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中3の子どものことです。小学校のころから勉強についていけず、学校に行きたがらないこともありました。先生から特殊学級を勧められましたが、みんなと一緒に勉強してほしいと思い、通常の学級で指導をしていただきました。しかし、ここへきて、現実的に高校進学はとても無理だと感じています。かといって、仕事に就いて長続きするようにも思えません。どうすれば・・・。 |
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進学を選び生きる力を養おう
将来に向け、ご家族でしっかり話し合い慎重に判断する必要があります。
(1)生き生きとした学校生活を
特殊学級への入級を断ってこられたとのこと。他の友だちと同じ教育環境で育てたいというお気持ちからの選択であったのでしょう。ただ、今、進路を考えるにあたり、本人がこれまでの学校生活をどう受け止めてきたのかを振り返ってみてはと思います。「学校に行きたがらないこともあった」ようですが、これまでの学校生活はお子さんにとってどのようなものだったのでしょう。
学校は勉学の場であるとともに、友だちに受け入れられ、時には自分が主体的に活動をリードできる自己実現の場でもあります。そして、学校生活での自己実現の機会が実は将来を生きる上で自分自身を支える大きな力となります。
こう考えればこのような機会を得るためにも、ぜひ、進学をお勧めしたく思います。
(2)養護学校高等部について
進学先として定時制や単位制の高校、専門学校なども考えられますが、ここでは選択肢の一つである養護学校高等部をご紹介します。
高等部には、中学部からの生徒だけでなく特殊学級卒業生も在籍しています。また、通常の学級の卒業生が進学することもあります。要するに高等部は、発達障害などにより通常の学習方法では力をつけていけない子どもたちにとっての大切な後期中等教育の場なのです。
また、指導は教科学習のほかに、自立生活や職業生活に向けての実践的な内容が中心に展開されます。特に企業などで仕事を体験することで職業生活を学ぶ「産業現場等における実習」では、卒業後の就労に向けての具体的な手がかりが見つかると思います。
(3)進路相談を
いずれにせよ、ご家族や本人の意思をしっかり確認しながら、担任に相談されるとよいでしょう。なお、高等部への進学に際しては、専門機関による診断やそれに伴う検査が必要となります。当センターでも相談に応じますので、お気軽にご連絡ください。
(福井新聞 平成15年10月6日掲載)
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年中組の園児の娘に言葉、生活面の遅れ |
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四歳の娘は現在保育園の年中クラスに通っていますが、言葉や生活面など、発達に遅れがあります。再来年度には就学を迎えますので、まだ早いかもしれませんがそろそろ学校のことを考えていかなくてはと思います。特に就学の一年前になると、教育委員会の方と話し合うような機会もあると聞いてはいるのですが、詳しいことが分からず心配です。 |
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教育委員会の就学相談の利用を
発達の遅れなどから配慮が必要なお子さんの就学についでは、必要な情報を得る機会が少ないため、保護者の方にとってはご心配なことと思います。
(1)相談から就学までの主な流れについて
名市町村の教育委員会では、発達に気がかりな面のあるお子さんを対象とした就学相談を、おおよそ六月から八月にかけて始めます。相談の機会は園を通じて紹介されることが多いのですが、特に紹介がない場合もありますので、ご心配であれば園の先生やお住まいの市町村教育委員会に問い合わせていただくとよいでしょう。
教育委員会には障害児教育に携わる教師、医師、心理の専門家らで構成される就学指導委員会があり、保護者との相談、お子さんの発達検査や行動観察、医師の診断などを通して、よりよい教育の場について総合的に助言をします。教育委員会では、このような助言を踏まえながら相談を進めていきますが、就学先の決定は、あくまでも保護者との十分な話し合いを通して行われますので、遠慮なさらずに安心してご相談ください。また、そのためにも、就学先についての情報をしっか把握しておくことが大切です。就学先の学校が決まると、翌年の一月末までに「就学通知書」が保護者に届けられることになります。
(2)情報を得る機会を積極的に活用しましょう
就学先としては、大きく分けて小学校と盲・ろう・養護学校があり、小学校には通常学級のほか、特殊学級や通級による指導教室があります。盲・ろう・養護学校には、相談窓口が設けられており、就学相談の時期に合わせて学校見学会や体験入学などを実施していますので、学校に直接お問い合わせください。
小学校については各市町村教育委員会が窓口となっています。また、当センターでも、いくつかの市町村で巡回教育相談会を開いたり関係学校の相談担当者を招いての学校ガイダンスなどを行って、就学についての相談に応じています。これらの機会を積極的に活用され、実際に見たり聞いたりしながら、お子さんに合った学校について考えていかれるとよいでしょう。
(福井新聞 平成15年11月24日掲載)
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初めての場所や物 嫌がる娘にどう対応 |
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5歳の娘のことです。初めての場所を嫌がったり、特定の物に対するこだわりがあります。そのため、家族で遠出のドライブに行きたくても、初めてのレストランやトイレには入れない等の問題があり、なかなか出かけられません。3月には修園旅行が計画されています。今後、どのようなかかわり方をしていけばよいか教えてください。つい先日、医療機関を受診して、広汎性発達障害と診断されました。 |
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ドライブ中の食事についてはお弁当を用意することで対応できますが、トイレについては年齢的にもおむつの使用は難しく、お困りでしょうね。ではかかわり方について一緒に考えてみましょう。
■広汎性発達障害とは?
一般的には「自閉症」ということばで表現されていますが、近年「広汎性発達障害」とも言われるようになりました。行動の特徴としては@他児(者)との交わりが苦手、Aコミュニケーションが取りにくい、B遊びや行動がパターン化されている等があります。
■かかわり方について
お子さんの行動の特徴を理解したかかわり方をすることがとても大切です。トイレにこだわるのは、本人にとってそうしてしまう理由があり、大きなエネルギーが注がれているのです。そこで、原則的には抑えつけずに見守り、必要な支援をしていくようにします。
(1)行動範囲を広げる
限られた場所やパターン化された活動では落ち着いていることもあり、その殻を破ることに親子共々躊躇しがちですが、それではなかなか行動範囲が広がりにくくなります。まずは、よく利用するショッピングセンターのトイレに入ってみるなどして、外のトイレを利用する機会を増やしてみましょう。少しずつ新しい経験を広げていってはどうでしょうか。
(2)予定は明確に伝える
予測できないことや変化に対して苦痛を感じることが多い面もあるので、いつ、何が予定されているかということをなるべく前もって伝えましょう。絵や写真でドライブの行き先やどこでトイレに入るか等スケジュールを示してあげると、より分かりやすいと思います。
(3)予定の変更の練習をする
現実の生活の中では予定通りにいかないことがたくさんあります。そこで、お子さんの気持ちに余裕があるときに「変更の練習」を少しずつしていくことも大切です。たとえば事前に知らせておいた予定を一週間前に変更し、それができるようになったら一日前に変更してみましょう。何度か変更を経験することでお子さんなりの見通しを立て、行動できることが増えていくと思われます。
(福井新聞 平成16年5月24日掲載)
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「高機能自閉症」の小1息子 目を離すと家の壁や本に絵 |
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小学1年生の息子は「高機能自閉症」との診断を受けています。絵を描くことが好きで、見たものを思いだして細かいところまで描きます。しかし、目を離すと白い壁や、棚に並べてある本にもマジックやクレヨンで絵を描いてしまい、きつくしかるとパニックを起こしてしまいます。どうすればよいでしょうか。 |
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注意よりルールづくりを
家の壁や大切にしている本に絵を描いてしまうというのは困りますね。それでは、高機能自閉症について特徴を整理しながら、一緒に考えていきましょう。
一般的に自閉症のお子さんは、人とのかかわりやコミュニケーションが一方的で、ルールに従って遊んだり、相手の気持ちを理解したり、自分の気持ちを言葉で表現したりすることが苦手です。そのため、言葉で注意されるだけでは、何がいけないのかが分かりません。また、こだわりが強く、風味のある活動を急に止められたりするとパニックを起こし、気持ちの切り替えができずに、なかなか次の行動に移れないことがあります。その半面、マークや数字など興味をもったことには、すばらしい記憶力や計算力を示すことがあります。言葉での表現が苦手な分、絵を描くことで自分の気持ちを表現することが得意だったりすることもあります。
(1)絵を描く場所や物についてルールを
今回のご相談の場合、絵を描くことには何も問題がありません。むしろ、どこに描くのかが問題なのですから、絵を描くときの場所を決めて、そこに紙やマジックを置くなど、絵を描く際のルールをつくるとよいでしょう。
(2)視覚的な手がかりを使って伝えて
もちろん「壁や本に絵を描くことはいけない」ということを教える必要もあるでしょう。
マークや絵カードといてた「視覚的な手がかり」を使ってみてください。倒えば「絵はスケッチブックに描きましょう」「壁には絵を描きません」などと、本人に注意を促すものを本人の目につくところに分かりやすく提示していくこともよいでしょう。
(3)絵を通してお子さんとのかかわりを広げて
絵を描くことは、自分の気持ちを表現する大切な手段であると思います。描いた絵を使って親子で会話したり、お子さんの興味を広げていったりできるとよいですね。一緒に楽しい時間を過ごしていただきたいと思います。
(福井新聞 平成16年10月11日掲載)
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小1の娘 登校渋るように |
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4月に小学校に入学した娘の母親です。保育園では、ことばで気持ちを伝えることが苦手で、環境が変わると落ち着くまでに時間がかかる子でした。当初元気に通っていたのですが、最近、目をぱちぱちさせたり、登校を渋ったりするようになり心配です。どうすればよいでしょうか? |
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「先生は味方」伝えよう
小学校は保育園と生活が随分違います。どのお子さんも最初は戸惑うことがありますが、徐々に慣れていきますので、焦らずゆったりと見守ってあげることが大切です。しかし、登校を渋るようになるとお母さんもご心配でしょう。
@ 家庭ではゆったりと過ごさせてあげましょう。
新しい環境が苦手なお子さんですと、初めての学校生活にストレスを感じていることが考えられます。保育園との違いに戸惑いながら緊張して過ごしているのでしょう。
家庭では、お子さんの好きな活動で気持ちを切り替えたり、お子さんの話をじっくり聞いて気持ちを楽にしてあげたりしてください。
A 今後のことを学校と家庭で一緒に考えましょう。
気がかりなことがあった時には遠慮なさらずにすぐ相談することが重要です。まずは、担任の先生に家庭での様子やお母さんが心配なことなどを伝えましょう。また、お子さんの学校での様子を先生に聞いてみましょう。家庭では気がつかないことを知ることもあります。
その上で、お子さんが何にストレスを感じているのか先生とよく話し合ってください。例えば、一日の見通しが持てるようにスケジュールを提示してもらったり、活動する前には個別に声かけをしてもらったりすると安心するかもしれません。
また、学校で困った時やつらくなった時は、先生が助けてくれることをお子さんに教えてあげてください。初めは先生から声をかけていただくようにするとよいですね。
お子さんの気がかりなことについて、学校と一緒に考えることは大事なことです。学校には、担任の先生以外にもお子さんのことについて相談に応じてくださる先生がいます。
当センターも、ご相談をお受けできますのでお気軽にご相談ください。 (福井新聞 平成21年4月25日掲載) |
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算数苦手の息子 教えるコツは? |
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小学二年生の息子をもつ父親です。活発で友達も多いのですが、算数がとても苦手です。夏休みの宿題も、時間がかかったり間違えたりするので、ついしかってしまいます。一年生の頃から、わからないことが多かったようです。どのようにみてやればよいでしょうか? |
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つまずきは何か考えて
夏休みは、旅行や毎日の手伝いなど、普段とは少し違った体験を通して成長が期待される時期です。何より、お子さんにとって楽しい夏休みにしてあげてください。
さて、御相談では算数がとても苦手、ということですね。宿題や生活の中で、算数の苦手さの基になるようなつまずきは何か、考えてみましょう。
@ 『わらない』ところはどこでしょう?
数字を見て、大小がわかりますか?一から百まで数えることができても、数字を見ただけではすぐに物の個数を思い浮かべられないのかも知れません。生活の中で「六個ずつ分けようね」などと、数字と物の数を結びつけるようなやりとりを通して、数の概念を育てることも大切です。
文章問題を読んで、式を立てられますか?計算はできても、文章題を読んで式を立てられないお子さんもいます。「加える」などのことばの意味がわからないのかも知れません。実際に絵や動作で示して、たし算に結びつけてあげましょう。
宿題等の様子から気がついたことを、学校の先生に伝えてください。学校には、担任の先生はもとより、お子さんのことを一緒に考えてくださる先生がいます。
A 『できた』という実感を大切にしましょう。
苦手分野を克服させたいと思うあまりに、つい厳しくしてしまうこともありますね。そのことでお子さん自身も「苦手だな」「嫌いだな」と思い、学習意欲を失ってしまいかねません。それより少しでも「よくがんばっているね」と応援してあげてください。そして、できたときには、大いにほめて自信をつけてあげましょう。それが次の学習意欲につながります。
当センターでも御相談をお受けできますので、お気軽に御連絡ください。
(福井新聞 平成21年8月15日掲載) |
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