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集団への参加:遊びの輪に入れない |
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さっちゃんは3歳。ことばに少し遅れのある子どもです。春から園に通うようになったのですが、まだ園の生活に慣れず、登園してもいつも不安げな様子です。友だちの遊びに誘うのですが、先生のそばを離れようとせず、遊びの輪の中になかなか入れません。 |
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先生は、さっちゃんが、まだ友達とうまくやりとりができないことや園生活に慣れないことで不安な気持ちでいることをまず受け止めていくことにしました。さっちゃんを無理に先生のそばから離して集団遊びの中に誘うことはせず、さっちゃんの視線や思いをくみ取りながら、手をつないだり、時にはおんぶしたりしてかかわっていきました。
さっちゃんは、園生活に次第に慣れていく中で、ほんの短い時間ではありますが、先生の手や背中から離れて一人遊びをしようとする姿が見られるようになってきました。また、まわりの友達の中からも「先生、私、さっちゃん大好き。私もさっちゃんと手をつないであげるね」と言って、さっちゃんを優しく誘ってくれる子も出てくるようになりました。
さっちゃんは、友達とうまくかかわれなかった時や、一人ポツンとなって不安になったときは、すぐに先生のそばにくっついてきます。でも、先生とまわりの友達の間を行ったり来たりしながら、友達との関係を少しずつ深めてきています。 |
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子どもにとってはじめての園生活は、刺激的でありまた不安もいっぱいです。ましてや障害のある子どもの場合、刺激が多すぎて落ち着かず多動になったり、逆にさっちゃんのように不安傾向が強くて先生のそばをなかなか離れないといったことも少なくありません。この場合、先生はさっちゃんに寄り添ってあげることからスタートしています。そうすることがさっちゃんの集団への関心を阻害するわけではありません。さっちゃんは、先生を安心できる場所としながら、目や耳を使って周囲を探索しているのです。そして、ある程度探索できたら、先生のそばから少しずつ離れようとしていきます。一端離れても不安になるとすぐに先生のそばに戻ってきますが、また、周囲との関係をもとうと離れていきます。そのような繰り返しの中で、自分の世界を広げていっているのだと思います。 |
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ルールのある遊び:ルールのある遊びができない |
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ゆうちゃんは5歳。知的な発達に遅れのある女の子です。いろいろな遊びに積極的に参加しようとするのですが、なかなかルーツがのみこめず、いすとり遊びでは、いつも座れずに一人残されて寂しそうです。 |
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ゆうちゃんは砂場でままごと遊びをしているときはとても楽しそうです。でも、みんなとのお遊戯になると、どうしても先生に促されて参加することが多くなってしまいます。いすとり遊びをするときは、いつも座れずに一人残されてしまうので、先生が手を引いて座らせていました。でも、ゆうちゃんは楽しそうではありません。それに、負けん気の強い子が「ゆうちゃんだけずるい」と言ってくることもありました。
先生は、ゆうちゃんのようにルールがのみこめない子も、マイペースでおっとりした子も、負けん気の強い子もみんなが、楽しく参加できるようないすとり遊びを考えてみることにしました。
まず、いすの代わりに、いろいろな色のカラーマットを子どもの数だけ用意して、みんなが座れるようにしました。そして、カラーマットと同じ色で作ったサイコロを振って、出た色と同じ色のカラーマットに座っている子が負けということにして、抜けていくようにしました。
このような新しいルールでいすとり遊びをしたところ、音楽が止まっても座れずにいたゆうちゃんに、周りの友だちが、「ここが空いているよ」と声をかけてくれるようになり、そのうちに自分から空いている1枚のカラーマットめがけて走って行き、座ることができるようになりました。さらに、最後まで勝ち残って、優勝することもできました。 |
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幼児期も半ばになってくると、おにごっこやすごろくなど、ルールのある遊びを楽しむようになってきます。できる子にとってはとても面白いのですが、できない子にとってはとても負担になってしまいます。それは、他の子とのかかわりの中で行動したり、ルールを理解したり、勝ち負けを意識したりすることが前提になっているからです。これらのことが十分に育っていない子どもには、まず、共同の活動に至るまでの友達や先生との役割遊びや二人遊びを十分に保障していくことが大切です。その上で、みんなと遊びたい、楽しく遊びたいという気持ちを受け止めて、無理のない形でルールのある遊びに参加できるように状況を工夫していくことが大切です。
状況を工夫していくポイントとして、周りの子との関係の中で違和感のないように配慮しながら、@場に慣れるように、誰かできる子と一緒にペアになって参加したり、ペースの同じような子のグループで遊んだりする。A体力や能力の差が出ないように、ルールを工夫したり、勝敗に偶然性のあるものを取り入れたり、扱いやすい素材の遊具を用意したりする。Bスポーツであれば、自分一人が自分のペースで動けばよいものから始めて、1対1でできるもの、少人数でできるもの、人数の多いものと順を追っていくようにする。
このように状況を工夫しながら、ルールのある遊びの楽しさを味わえるようにしましょう。 |
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興味・関心:ミニカーにしか興味を示さない |
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たくちゃんは3歳。ことばが少し出始めた子どもです。保育園で自由遊びの時は、いつもお気に入りの赤いミニカーを持って窓際に行き、目の前で動かしています。先生が他の遊びに誘うのですが、ミニカー遊びをやめられません。 |
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たくちゃんは赤のミニカーを動かしているときはそれに集中しています。話しかけてもあまり応えてくれません。そこで先生は、同じような青のミニカーを持ってたくちゃんのそばへ行き、動かし始めました。「ブルン、ブルン、ブ−ン」と車の音を真似して楽しそうです。たくちゃんは特別変わった様子もなく遊び続けています。先生は、色や形、大きさの違うミニカーを使って何回も遊びました。時々トラックや消防車など、自分の手に持っている車を、たくちゃんの車に並べたり横切ったりさせて「さあ、いくよ」とか「一緒に走ろうね」と声を掛けました。
何日か経った後、先生は、ブロックで作った車を持っていつものように遊びました。そして、にこにこしながら「これは先生が作った車だよ」とたくちゃんに見せ、「貸してあげるよ」と言いました。
たくちゃんはその車をしばらく見ていましたが、やがてそれで遊び始めました。先生も別のブロックの車で遊びます。そして今度は、ブロックをたくさん持ってきて車を作り始めました。たくちゃんの気に入りそうな赤いブロックも使いました。たくちゃんは時々先生の方を見ています。
しばらくすると、たくちゃんの前には先生の作ったブロックの車がいくつも並びました。先生はタイミングを見て「たくちゃん、一緒に作ろうか」と誘いました。そしてたくちゃんの前に赤いブロックを置きました。たくちゃんはそのブロックも手に持って遊びます。先生はゆっくりとかかわりながらブロックをつなげる見本を示しました。やがてたくちゃんは、ブロック遊びに興味を示すようになりました。 |
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たくちゃんのように、限られたおもちゃにしか興味を示さなかったり、特定の物としか遊べなかったりする子どもは、他の遊べる物を探し出せずにいるのかもしれません。こういう子どもの場合、人との関係のとり方が分からない状態とも考えられます。それで、遊べる物はあっても、人のやり方を真似たり、遊び方を見聞きして学ぶことが苦手で、遊びが広がっていくことが難しいのです。このような子どもに対して、苦手な面を乗り越えさせようと強引に引っ張るとかえって激しい反発にあったりします。
かかわり方としては、まず、子どもが興味を示しているもので遊ぶことや、子どもの世界に寄り添うことから始めましょう。初めは、無視、拒否などの反応しか返ってこないでしょうが、しばらく続けていくことで、次第にその人に関心を持つようになっていきます。そして、周囲に関心を持ち始め、その人と一緒に何か別のことをしてみようとする心の動きが出てきます。この段階を見逃さないようにしましょう。ゆっくりと丁寧にかかわって、遊びを広げていくことが大切です。 |
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けんか:友達をたたく |
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光ちゃんは5歳の男の子。じっとしていることが苦手で、いつも走り回っている感じのお子さんです。自分の欲しい物は力ずくで取り上げてしまったり、気に入らないとたたいたりするので、友だちとうまく遊べません。 |
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自由遊びの時間です。子どもたちは、トランプでババ抜きをして遊んでいます。光ちゃんも最初は楽しそうに一緒にカードのやりとりをしていました。でも友達のカードがすべてなくなると、自分のカードから、「いや、ババはいらない」と1枚のカードを床に投げ出したり、「ハートの2ちょうだい」と友達のカードを無理矢理取ろうとしました。注意されても、「いやだ!」と言い張り、それでも「だめ」と言われると、友達のカードを取り上げたり、キックをしたりしました。キックされた友達は、大きな声で泣き出してしまいました。周りの友達は、「光ちゃん、だめ!」「悪いんだ!」と光ちゃんを責めました。光ちゃんは「ウァー」と大声を上げて友達をたたきました。近くの子どもたちの声は、もう耳に入らないようです。
先生は、まず光ちゃんを抱っこしました。そして、他の子どもたちに、目で合図をしてから、光ちゃんと一緒にお部屋の隅に行きました。そこで先生は、光ちゃんの気持ちが治まるまで黙って抱いていました。光ちゃんが落ち着きを取り戻してから、「1番になりたかったんだよね」「悔しかったんだよね」「友達から叱られて、悲しくなっちゃったんだよね」と優しく話しかけました。光ちゃんは先生の顔をじっと見つめながら、「うん」とうなずきました。先生と光ちゃんは「友達をキックしないこと」と「叩かないこと」の二つの約束をしました。先生は用意しておいた「お約束カード」に約束を書いて光ちゃんに手渡しました。「『さっきはごめんね。入れて』って一緒に言おうね」と、二人はプレイルームに戻っていきました。 |
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子ども同士の集団ができると、仲の良い友達ができる反面、ぶつかり合うことも多くなります。子どもは子ども同士のかかわりの中でさまざまなことを学び、社会的な育ちの中で自分の言動の調整ができるようになっていきます。子どもは孤立したいと思っているわけではありません。友達と一緒に遊びたいと思っているはずです。そのためには、きまりの存在に気付かせ、きまりを守れるようにすることが大切です。しかし、いったんパニック状態になると、混乱して何を言っても聞き入れることができなくなります。ゲームに負けそうになると、ゲーム板をひっくり返してしまったり、負けたくないという思いから「ズル」をして、それを注意されると、余計に気持ちが収まらなくなってしまったりということも少なくありません。そんな時は、行動を責めるのではなく、不適切な行動を起こしてしまった理由を十分に理解してあげましょう。そして、子どもの気持ちを代弁しながら、感情をことばで表現できるように促していきます。また、ルールやマナーの理解を促すため、具体的な場面や紙芝居などを使ってモデルを示し、こんな時はこうするということを一つ一つ教えていきます。一度にたくさんのルールを決めず、守って欲しいルールを限定し、できたら十分にほめることも大切です。最初は、守りやすいものから始め、「守れる」という経験を積ませ自信をもたせましょう。 |
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危険な遊び:高い所にのぼってしまう |
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こうちゃんは4歳。自閉症の子どもです。高いところが好きで、自由遊びの時間はいつのまにかホールの棚の上に登ってみんなの様子を見ています。先生はこうちゃんが落ちるのではないかとはらはらはらしています。 |
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ホールでは子どもたちがおにごっこをしたり、ボール投げをしたりしてキャーキャー言いながら走り回っています。みんなのそばにいるのが怖いのかなと考えた先生は、こうちゃんを驚かさないように静かに声かけして棚の上から降ろし、ホールの隅にあるこうちゃんのために作った小さなお家の中に連れて行きました。小さなお家には窓やドアもついていて、そこからホールの様子を見ることができます。みんなには「ここはこうちゃんのお家だから、こうちゃんがいいよと言うまでドアを叩いたりしないでね。」と話しておきました。こうちゃんは小さなお家が気に入った様子で窓からみんなが遊ぶ様子をじっと見ていました。
次の日もこうちゃんは最初棚の上に登ってしまいましたが、先生がお家に入るように促すと、棚の上から降りて来ておうちに入っていきました。その後1週間ぐらいそれを繰り返し、自分からお家に入るようになりました。
小さなお家が気に入ったこうちゃんは、中にお気に入りの粘土を持って入り、粘土をこねて遊ぶようになりました。時には先生も中に入り、一緒に粘土をこねておだんごを作って遊びます。こうちゃんは先生と作ったおだんごをたくさん並べてうれしそうです。
園庭で遊ぶ時には、こうちゃんはジャングルジムの上でみんなの様子を見ています。先生は、もう少し保育園に慣れたら友だちと一緒に遊べるだろうなと思いながら、安全に気を配ってこうちゃんの様子を見守っています。 |
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自閉症の子が高いところに上がるのは、たくさんの人がザワザワしているといったところを避け、本人にとって安心な所から眺めたいということが多いからです。したがって「危ない!」と言ってもやめません。他の子から邪魔されず安心して過ごせる場所を作ってあげたり、頼れる人のそばの方が本当は怖くないということがわかるように関係をつないだりしていくとそのような行動は減ってきます。車に向かって飛び出したり、高いところに上がったりといった危険な行為を繰り返す場合、なぜその子が危険な行為を繰り返すのか、行動の意味を考えること大切です。そして、気持ちをまず受け止めて、危険のない方法に転換させてあげるのがよいでしょう。
しかし、どうしても危険な行為をやめない場合もあります。そういった場合は、危険な行為ができないように環境面を整備しましょう。その上で、遊びの時間などに個別のかかわりをもって遊び、関係を築くことが大切です。特定の大人との人間関係が成立し深められていくと、その人の声かけに対して注意を向けようとする態度が出てきて、ことばによる危険への制止もできるようになります。
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注意力:遊びびが次々とかわる |
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ひろしくんは4歳の男の子です。園では仲良く遊べるように見えますが、お友達とボーリング遊びをしていたかと思うと、急に輪投げをする仲間に加わったり、輪投げを楽しんでいるかと思うとすぐにボール遊びに行ったりと、遊びが次々とかわってしまいます。お友達からも何となく浮いてしまうのですが、ひろしくんは全く気にしていない様子です。先生はそれが気になっていました。 |
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そんなひろしくんが、お家の都合で転園しました。先生は、ひろしくんの様子が気になって、新しい園での様子を見せてもらうことにしました。ところが、新しい園でのひろしくんは、お友達と一緒に、ブロック遊びに集中して取り組んでいたのです。
遊びの途中で園の先生と話している様子を見ても、しっかりと先生の顔を見て話を聞いているように見えました。
ひろしくんの遊んでいる場所をあらためて見てみると、前にいた園のプレイルームのような広さはなく、おもちゃや遊具の数も限られていました。「ブロックなら前の園でもしていたのに、どうしてひろしくんは、こんなに落ち着いて遊んだり、お話を聞くことができるようになったのだろう」と不思議な感じがしました。
新しい園の担当の先生から、お話をうかがったところ、ひろしくんの遊んでいた小さい部屋は、仏様のお部屋で、子どもたちも静かにするところだと知っていて、そこを遊び場に開放してもみんなが静かに遊ぶ場所になっているとのことでした。ひろしくんはその場所が大好きで、そこで遊んでいる時には、遊びにも本読みにも集中でき、話をしてもよく聞いていてくれるとのことでした。 |
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子どもたちの中には、人一倍、他のことが気になる子がいます。保育園にはそんな子にとって、気になることがいっぱいあります。
ボーリングをしていていると「あれえ、あっちで輪投げをしているぞ。ようし、ぼくも」と輪投げに走っていきます。さて、今度は輪投げを始めると、向こうでボールを投げようとした友達の手からボールが転がって行くのが目に入り、「へただなあ。ぼくならうまく投げられるのに」とそちらに気が向いてしまいます。
このような子には、気になるような刺激や情報(視覚・聴覚)を減らしてあげることが大切です。
新しい園のお気に入りの場所は、ひろしくんにとって、そんな気になることが少ない静かな場所だったのでしょう。先生のお話を聞くときにも、まわりに気になる友達がいないことや、視界に他の遊びが飛び込んでこないことで、集中できたのではないでしょうか。このケースは転園がきっかけでしたが、場所や時間を工夫することで、違った遊びの空間をつくることができます。
また、大がかりでなくても、例えば、注意する時に、みんなと同じ場所で声をかけるのではなく、一人だけ呼んできて、他の子が見えないように先生がその子を包み込むように話して聞かせることで静かな空間がつくれ、よく話を聞いてくれるようになります。 |
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保護者との相談:一つの遊びしかしない |
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大ちゃんは4歳。知的な発達に遅れのある子どもです。お母さんは、大ちゃんが不器用でぎこちなく、いつも積み木を並べて遊ぶことばかりで友達と遊べないことが気になっています。大ちゃんとどのようにかかわったら、いろいろな遊びができるようになるのか悩んでいました。 |
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大ちゃんのお母さんはお迎えに来ると、いつも大ちゃんが積み木を並べている姿を心配そうに見ていました。先生は、お母さんに思い切って話しかけてみました。そして「他の遊具で遊ばない」「友達と遊べない」というお母さんの気持ちを受け止めました。そして、お母さんがお迎えに来るまでは、大ちゃんと一緒に積み木を使って遊ぶようにしました。
何日か経った頃、お母さんにもこの遊びの輪の中に入ってもらいました。そして、何回も大ちゃんと一緒に積み木を並べて遊びました。先生はときどき「大ちゃん、おうちがいっぱいになったね」と遊びの中で気が付いたことを口にしました。大ちゃんは黙っていましたが、ある日、お母さんは「積み木を並べるといっても、この子なりに意味があるみたいですね」と明るい顔で話をしてくれました。
これまでのお母さんは「あれもさせたい。これもさせたい」と家では大ちゃんに遊びを指示しがちでしたが、現在は大ちゃんが積み木をしていても気にならなくなり、一緒に積み木で遊ぶこともできるようになりました。
それからしばらくして先生は、積み木を縦に積んで高くする遊びを取り入れました。積んだらそれを一斉に崩します。積み木を崩すことを大ちゃんはとても喜びました。近くにいた友達も積み木崩しに加わるようになり、いつの間にか大ちゃんは友だちと積み木遊びを楽しめるようになり、お母さんの笑顔が増えてきました。 |
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子どもにとって遊具を使っての遊びには発達的にいろいろな意味があり、いろいろな遊びを通して子どもは伸びるものです。しかし、事例のように、子どもがうまく遊べないと思って「いろいろな遊びをしてほしい」「友だちと遊んでほしい」と保護者が願うことがあります。そういう時は、まずそういった保護者の気持ちを受けとめることが先決です。保護者の「いろいろな遊びを」「友だちと一緒に」という心配や願いを十分に受けとめながら、今、その子が興味をもっている遊びを十分に満たしてあげるとよいことを伝えていきましょう。できれば、その遊びを保護者にも一緒に楽しんでもらいたいものです。
次に、その遊びが一つの意味しかないととらえるのではなく、いろいろな遊びに発展できる要素もたくさんあることを伝えていきましょう。そのためには、援助をする人の積極的なかかわりが必要です。次のような点に配慮してかかわるとよいでしょう。
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一つの遊具を使っていろいろな遊びをしてみる。 |
○ |
一つの遊び方をいろいろな素材や遊具を使ってやってみる。 |
子どもが自信をもって遊具で遊んだり、周りの環境に対して意欲的に働きかけて遊んだりできるのは、周囲の人がその遊びの意味を理解し、支えていくことで実現していくのです。 |
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